美しい茶畑からショップへ再び戻ってきた僕ら。
ショップの真ん中にある大きな丸いテーブルに案内され「じゃあ、ちょっと待ってて。」とキッチンに向かうロード。
待っている間、今日一緒にツアー見学をした老夫婦と談笑。
「そういえば、僕まだ二人の名前聞いてなかったよね。教えてくれる?」
「あら!本当!おしゃべりに夢中で名前言ってなかったわ!」
「僕はハリーだよ。」
「ルキとは初めて会った気がしなくて名前伝えるの忘れちゃってたわ!アハハ!」
「この忘れっぽいお嬢さんが僕の妻のリズリーだよ。」
「リズって呼んでちょうだいね♪」
ハリーとリズと楽しく話していると奥から、トクトクとティーポットに熱湯が注がれる音が聞こえてきました。
「僕、このお湯を注ぐ音好きなんだ。」というと
「分かるわぁ。幸せな時間よね。」とうっとり笑顔のリズと、静かに微笑みながら「ウンウン」とうなずくハリー。
「ささ、お待たせ。今から楽しいテイスティングの時間だよ。」
そういってキッチンから戻ってきたロードに「待ってました!」と立ち上がって拍手で迎えるリズ。
それに「ワオ」と目をまん丸にして驚くロードと、その二人を見て笑う僕とハリー。
今回テイスティングしたのは『クラシックティー』『アフタヌーンティー』『アールグレイ』『トレゴスナンシングルエステートティー』の4種。
クラシックティーはトレゴスナンで初めて英国産紅茶をブレンドに使用したブレンドティー。
トレゴスナンの数あるブレンドティーの中で最も人気があるんだそう。
クラシックティーは2回に分けて味の違いを楽しみました。
一つ目はスッキリとした味わいの中にもコクを感じられ、2つ目は味もしっかりしていてミルクティーに良く合うブレンドだなと思いました。
アフタヌーンティーは、トレゴスナンティーとダージリンのブレンドでもうほとんどダージリンだと思います。ストレートティーですっきりと楽しめる紅茶なので、日本人は好きな人が多いブレンドティーじゃないかなと感じました。
アールグレイは言わずもながベルガモットの香りがするものなのですが、ここのアールグレイは香りが優しい印象でした。馴染みのある王道な味と香りにホッとしたのを覚えています。
そして、トレゴスナンシングルエステートティー。
最後にテイスティングをしたからか他の3種類とは違った、日本茶や緑茶を低温で入れた時のような甘い味と香りが印象的でした。味わいは一番やさしい。渋みはほとんどなく、普段の僕だったらきっと物足りなさを感じていたのだろうけど、この時はこの華やかで甘い味と香りにただただ驚きました。
ハリーとリズも目を見開いて驚いていました。
トレゴスナンのシングルエステートティーは中国種と日本の茶樹で作られているのもあり、僕にとってはどこか親しみのある味と香りでしたが、きっと英国ではなかなか出会うことのない味と香りだと思います。また、この紅茶はロンドンで同じように入れても、この時飲んだ味と香りにはきっとならないでしょう。軟水の地域だからこそ感じられる味と香りであると僕は思いました。
4人でわいわいとテイスティングを楽しみ、そろそろお別れの時間。
「最後に4人で写真を撮ろう!」と誘って、はい、チーズ。
一時はどうなることかと思ったリバーガーデンツアーは、ロード、ハリー、リズのおかげでとても楽しく笑顔の絶えない時間になりました。
僕の拙い英語でも嫌な顔一つせず一生懸命聞いてくれ、僕にも分かるように簡単な言葉で説明してくれたり、今思い返してみても良い思い出しかありません。本当に優しさに包まれたひとときでした。
また3人に会いたいなぁ。
つづく